安彦良和作品ガイド

CENTERコート

安彦良和 (著) / 全1巻(未完)
出版社: 鞄ソ間書店/少年キャプテンコミックス
その他出版詳細データ 出版データ詳細
おすすめ度:★★☆☆☆

●この作品は徳間書店発行の「少年キャプテン」で連載されていましたが、前作「ヴィナス戦記」の映画化のため休載。その後、再開の話が徳間書店と安彦先生との間で行われましたが、「あれ、いいや」の一言で終了したそうです。そのためこの作品は未完のまま終わっています。(なお、「少年キャプテン」は徳間書店社長の一声で1996年12月急遽廃刊)

安彦先生にとっては初のスポーツジャンルです。基本的にSF系&歴史系のジャンルをひた走る安彦先生には珍しい挑戦的な作品と言えるでしょう。しかし、その内容を見る限り、ファンの贔屓目に見ても意欲的とは言えません。ネット上を見ていると、この作品がわりと好きだ、続きが読みたいという方もチラホラといるようなので、賛否両論というところなのかも知れませんが、作品全体に漂うどことなく手抜きな印象が拭えません。

物語はコメディタッチであるにもかかわらず、どことなく暗く、特に船戸川愛の兄である、コーチが出てくるあたりからバックが意味不明のセリフで埋め尽くされるわ、わけのわからない風が吹いてきたりで、空回りしていると言うべきか、読者を置き去りで突っ走る状態が続きます。

ポイントは、ギャグで攻めたいのか、スポコンで攻めたいのか、結局どちらも力量不足で描けないのか、どっちやねん・・・と言うところでしょうか。要は中途半端だということ。その中途半端さが悪影響して、コマ割も、絵柄も雑っぽく見えてきて、著者の力の抜け具合が読者に見透かされてしまっているように感じます。

安彦先生はこの物語を書くことに気が進まなかったのでしょうか?徳間書店の編集者に言われるまま、とりあえず書きました、といった印象で、やはり安彦先生にギャグ路線は向かないだろう、というのが結論です。もし今後、スポーツモノを描く機会があれば、是非気合の入った息詰まるようなスポコンモノを描いて欲しいなあ。

【あらすじ】

●無名の新人テニスプレーヤー「船戸川 愛」と偶然出会った、テニス雑誌「Centerコート」記者(バイト)の神無月 純は、彼女の兄と、雑誌社・社長との間で奇妙な因縁に翻弄されることに。



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